新刊紹介:『民俗学(3STEPシリーズ9)』(塚原伸治・後藤知美・辻本侑生・山川志典編)
当研究室スタッフの塚原が代表編者を務めた民俗学の新しい教科書が、昭和堂より刊行されました。おもに「序章 民俗学とは何か―控えめな理論と小さなものの学問―」「第5章 経済の民俗学―人・もの・貨幣の絡みあいを捉える―」「第10章 祭りと芸能の民俗学―パフォーマンスと身体―」の3章を担当しています。
本書は、第一に大学の教養科目での利用を想定しつつも、大学の外で民俗学を独学で学ぶ多くの方々の要請にも応えられるよう編まれています。ここでは、固定的な定義よりも、過去から現在へと知識や思考を手渡してきた研究者たちの「リレー」の過程全体を民俗学とみなす視点を最も重視しました。まずはこのリレーの全体像と現在地を把握することが、新たな研究を生み出すうえでも欠かせません。
また、本書を通底する新たな試みとして、以下の2点を重視しています。
・国際的な研究動向の反映:これまでの日本国内で完結しがちだったドメスティックな前提を越え、国際的な民俗学の研究動向のなかに日本の民俗学を位置づけています。
・ジェンダー視点の導入:特定の章に限定して論じるのではなく、あらゆる対象や分析の場面において、ジェンダー視点を意識的に取り入れることを全著者の共通方針としました。
各章では、現在生まれつつある最新の研究動向も紹介されています。本書が知的な学びへの入り口となり、読者のみなさん自身が次なるリレーの担い手となってくださることを心より願っています。
本書の詳細・目次などは昭和堂のウェブサイトへ。一部立ち読みもできます。